【個別の相談】No.66 筋肉を維持又は増やしつつ体脂肪を落とせますか?
質問内容
初めまして!いつもTwitterやblog楽しく読ませてもらっています。
私は、身長170cm、体重は62~64㎏、筋肉量が40~42kgの17歳女子です。
今体脂肪率が30%あります。泣
2ヶ月前からパーソナルでダイエットをしていて、体脂肪率が34→30%になり、体脂肪が4㎏減り、筋肉は1~2㎏程増えました。
この期間、糖質制限(しかしある程度の糖質は摂る)+カロリー制限をしていたのですが、
昔していた低糖質な(糖質をほとんど取らない)食生活の方が体感が良かったので最近その食事法に戻しました。
そこで質問なのですが、
komさんの記事によると
・筋トレをしながら減量するなら体重×3㎏のPをとる方が体脂肪が落ちやすい
・体脂肪を燃やす体(ケト)にするには、PFが2~3:7~8が良い
(こちら記事を忘れて確認取れなかったため、間違いでしたらすみません汗)
とありました
私の中でこの2つは両立がかなり厳しいです。そんな私はどのような食事をしたら良いですか?
(筋肉を維持又は増やしつつ体脂肪を落とせますか?)
今はP重視で1日90~120以上は取って、キレート鉄、VC、VB、VD&K、VE、Lーカルニチン、亜鉛、ω3、Mg、寝る前にniacinなども摂取しています。
その代わり脂質はあまり取れていません。Pはプロテイン卵鶏胸魚チーズ豆腐納豆から摂取しています。
カロリー制限の名残で脂肪のあるお肉などに手を出せていません。
オリーブオイル(1日大さじ3程度)やアボカドは積極的に取っています。MCTオイル、バター、生クリームは週2程。
トレーニングは2ヶ月前は自重スクワットで息切れしてましたが今は50kgのバーベルでしたら10回3セットできる程度です。
筋トレは週3~5、有酸素は週2程。
9ヶ月ほど前、断糖高脂質食をしていたことがあるのですが、その時はタンパク質、
運動が足りておらずビタミンミネラルを上手く吸収出来ていなかったため特に引き締まることありませんでした。
(体重的には太ることもなかったです)
この時からそうなのですが、脂質のみを摂取した場合食事での満足感が得られません。タンパク質を摂ると得られます。
マシュマロなのに全然緩くなくてごめんなさい!お時間ある時にお返事下されば嬉しいです。
私の回答
まずは体脂肪減少&筋肉量アップおめでとうございます。
もはやこの調子で継続していければ何も問題はありませんが、老婆心ながら2~3付け加えさせて頂ければと思います。
まず、初心者の頃は体脂肪減少と筋量アップが同時に起こりますが、中級者以降になると、増量か減量かのどちらかしか進まなくなります。
(脂肪は減れば減るほど減りにくく、筋量は増えれば増えるほど増えにくくなる)
このため、多くのビルダーは増量期と減量期を分けて、「一気にデカくして、一気に絞る」手法を行っている人が多いです。
…が、女性に「オフ期に太れ」というのはキツいものがあるので、基本方針として、山本義徳先生の「プチ増量とプチ減量を繰り返していく」手法をお勧めします。
また、以下の理由により、基本はPを3倍量摂るのが良いと思います。
①食欲の抑制が簡単
②筋量の増加・維持が楽
③筋肉以外の代謝異常を防ぐ
タンパク質は筋肉のためだけでなく、あらゆる代謝の主酵素でもあるため、タンパク質が足りなくなると、筋肉以外の箇所にも支障が出ます。
事実として、私の場合、追加の検証は必要ですが、タンパク質を体重×1程度に抑えて脂質を大量に摂る方法を試行したところ、筋量損失こそ無かったものの、カスケードの最下流であるメンタルがズタボロになってしまいました。
つまり、限りあるタンパク質が筋量維持に優先して割り振られ、神経伝達物質の生成が滞ってしまったのだと考えられます。
筋トレしている人の場合、ただでさえ筋修復のために栄養が必要なので、週3~5筋トレしているのであれば、余人よりも多くのタンパク質が必要であるというのは絶対的事実であると言えましょう。
また、食欲コントロールの点についても、私も同様に、高脂質だけでは物足りず、高タンパク食を食べると満足感を得られます。
特にカチカチに焼いた鶏胸肉を食べている時は咀嚼しているだけで食欲が消し飛んで1日1300kcalという時があったくらいです(笑)
つまり、食欲コントロール=余計なものを食べない=スタイル維持、という観点からも、基本はタンパク質メインの食事がよろしいと言えます。
ご質問の「体重×3のP」「PFが2~3:7~8」は両立可能です。
私の体重で試算したものが下図になります。(野菜やサプリは省略)
減量というよりもリーンバルクに近い感じです。
「体重×3のP」かつ「PFC=3:6:1」は山本義徳先生の書籍にも載っていた手法ですね。
基本はこのマクロで宜しいと思います。
補足ですが、短期集中型の減量だと、下記のようになります。
これはどちらかと言うと、北島達也先生の手法に近いです。(PとFを同じくらい)
Pが多いので、食欲の抑制が簡単です。
脂質が積極的に摂れないという事ですが、現在特に不調が無いのであれば、無理に増やす必要は無いと思います。
もちろん、ホルモンレベルを維持するためにも動物性脂質は必要です。
とはいえ、既に質的栄養失調が無い方であれば、体重×1.5程度の脂質量でも問題無いかも知れません。
これは現在進行形の事なので検証が完了しておりませんが、私の場合、脂質体重×1~1.5gの日が多いのですが、今のところ、特にホルモンレベルや筋出力等は低下している様子はありません。
(主な脂質源は全卵で摂っています。※コレステロールが豊富)
男性と女性では異なる部分もあると思いますが、コレステロールが豊富な脂質源をメインとすることで、一定期間は、体重×1.5程度の脂質量でも色々と問題無いという一つの参考情報として留め起き下さい。
(もちろん、アボカドやバターも良い脂質源です)
従いまして、ご質問に対するアドバイスをまとめると、以下3点になります。
①基本はプチ増量とプチ減量を繰り返す
②困った時はP多めにする
③脂身のある肉はダメでも卵は食べてね
最後に、身長170cmというのは大変恵まれた素質であります。
コンテストに出場する際でも、モデルを目指すにしろ、高身長は大変良い長所になります。
年齢もお若いので、色々な可能性に満ち溢れていると言えましょう。
ご活躍を期待しております(^ω^)
解説
若いうちから栄養に興味を持って頂けてとても嬉しいです。
もっと10代の子たちに正しい栄養学やボディメイクについての知識を伝授できれば、不健康なダイエットで大変な思いをする子も減るんですけどね。
余談ですが、「現在進行形の検証」が着々と継続され数ヶ月経った今でも、ホルモンレベル的には何ら異常はなさそうです。
やはり卵は最強の食材です。